非常に困難です
2系と3系ではアーキテクチャに大きな違いがあり、また2系のサイトはコアを大きくカスタマイズしている事が多いので、バージョンアップ作業は非常に困難です。実際の作業の内容はほぼ作り直しに近いものになり、また基本機能や仕様にも大きな違いがあるので、2系から3系へのバージョンアップをご希望の方にはリニューアル(リビルド)をお勧めしています。なお、2系から3系、4系へのデータ移行プラグインはリリースされています。
現在広く利用されているEC-CUBEは、2系、3系、4系があります。それぞれ何がどう違うのでしょうか?
EC-CUBEを使ってネットショップを構築したい方が、どのバージョンを選ぶのが良いのか判断できる様にそれぞれのバージョンについて解説します。
EC-CUBEは2006年に最初のバージョンがリリースされ、自動アップデート機能を目玉とした初のメジャーアップデート、2.0が2007年にリリースされ、その後2.4系(2009年)、2.11系(2011年)、2.13系(2013年)と、2007年から約12年間進化し続けている最も長く利用されたバージョンです。
特色としては時代なのかガラケー(フューチャーフォン)にも対応している事です。また、Ver. 2.13からはプラグイン機能が追加され、カスタマイズ無しでも様々な機能を追加できる様になりました。
EC-CUBE Ver.3.0.0は2015年にリリースされました。2系までのPEARベースの独自フレームワークから、Symfonyベースのフレームワーク、Silexを採用し、よりモダンな作りのソフトウェアへと進化しました。
特に、3系からはEC-CUBEに詳しく無いエンジニアでもカスタマイズしやすい様にと世界標準のフレームワークを採用し、テストコードの充実、Gitの採用など開発体制から一新したバージョンとなりました。
コアの機能は最低限にし、ユーザがプラグインで自由に機能を組み合わせて利用することを想定した作りになっています。
EC-CUBE3 についてもっと詳しく
NEW
最新バージョンであるEC-CUBE 4系は、ベースとなるフレームワークを開発が終了したSilexからSymfonyに変更し、管理画面のデザインも0から行うなど、3系の問題の多くを解消したバージョンとなっています。
3系がプラグインを使わずに拡張することが難しかったのに対し、EC-CUBE4ではよりコアをカスタマイズしやすくなっています。また、国際化(他言語)対応やCMS機能の改善、パフォーマンスの改善などより成熟したプロダクトとなりました。
現在、特に理由がなければ新規構築の際はEC-CUBE4を採用しています。
Version | PHP | フレームワーク | サポート期限 |
---|---|---|---|
2.13系 | 5.4*1 | 独自 ( PEAR ) | 2024年6月30日*2 |
3系 | 5.3.9~7.1 | Silex 1.3 *3 | 2019年11月〜未定 *4 |
4系 | 7.1~ | Symfony 3.4 | 2021年11月〜 |
*1: Red Hat Enterprise Linuxでのサポート
*2: 開発コミュニティでのサポート
*3: Silex開発元では開発終了。EC-CUBEで独自にサポート
*4: サポート期限は未定
2系と3系ではアーキテクチャに大きな違いがあり、また2系のサイトはコアを大きくカスタマイズしている事が多いので、バージョンアップ作業は非常に困難です。実際の作業の内容はほぼ作り直しに近いものになり、また基本機能や仕様にも大きな違いがあるので、2系から3系へのバージョンアップをご希望の方にはリニューアル(リビルド)をお勧めしています。なお、2系から3系、4系へのデータ移行プラグインはリリースされています。
2系と違い、3系と4系は基本的なアーキテクチャは同じです。コアをカスタマイズしていない限りはそこまで大変な作業ではありません。ただ、ショップフロントのデザインテンプレートなどは大きく変わっており、主にデザインの組み込みで手間がかかります。
2系に関してはコアなファンが多く、コミッター有志でPHP7への対応などを行なっており、今も開発が継続しています。ただ、利用しているPEAR:DB2などのライブラリのメンテナンスが止まっているものもあり、全てを完全にサポートし切れるか?というと不安が残ります。
2系もですが3系も開発元の株式会社イーシーキューブが脆弱性対応などのサポートは可能な限り継続すると発表しているので、現状すぐに完全にサポートが切れるという事は無さそうです。